「初めてのお使い」N
TNR活動その猫は、防寒シートを被せた小さなダンボールにいました。
小奇麗な単身用のアパートの、駐車場と隣接した小さなスペースです。
駐車場からも、通りからも見通しのいい場所です。
管理人さんに見つからないように、洗車道具入れにカモフラージュされておりました。
しかし、なんの目隠しもない目立つ場所です。
本当にこんなところに居るのだろうか。。。
そっと、防寒用の布から中を覗いたら、いました。
えっ、驚いたのは、私
猫さん、初めての見ず知らずの私に、なんの警戒心もなく、
ゴロゴロと喉を鳴らし、出て来ました。
怪我をしているはずです。
保護し、病院へ行くのです。
持参した
洗濯ネットを用意し、オヤツと、美味しい餌を手に、
ただただ、「いい子ね、いい子ね」と、声を掛けネットの中へと。。。
外猫さんの保護
少々のケガは覚悟です。
暴れたらどうしたらいいのでしょうか?
幸い、猫さんは餌につられ、なんの抵抗もしません。
すんなりと入ってくれました。
なんと人馴れした外猫さんでしょうか。
・・・・・・・・・・
「気になる猫がいましてメールさせていただきました」と、
メールが届いたのが事の始めです。
よく慣れた猫さんがアパート付近にいる。
首輪をしているので、飼い猫かもしれない。
その猫が、最近、激やせし、ケガをしている。
骨折しているように見える。
こちら方面に飼い主に指導や保護をしてくださるボランティアの方はいらっしゃいませんか?
このような内容のメールでした。
これって、なんの依頼?
どうしろと?
確かに私は、ボランティアのお手伝いをしております。
さてどうしたものか。。。
残念ながら、場所も離れているのもあり、
すぐにお手伝いは出来ない事をあやまり
先ず、虐待の疑いがあるなら、保健所警察に通報するようにと、アドバイスをしました。
それから、2,3ヶ月後に、
怪我が酷いことになっている。
毛もボサボサで、激やせで元気もない。
と、ケガの画像が添付されてメールが届きました。
アパートの住人である友人が、すごく心配をしている。
でも、病院へ連れていく勇気と、経済的な負担を考えると、
このまま見守るしかないように思うが。。。
どうにかならないでしょうか?
どうにか?って?
怪我の画像を見せられ、どうにかならないでしょうか?
ボランティア新米の私には手に負えないことになってきました。
本気でどうにかしたいお気持ちなら、
出来るだけの事を頑張って下さい。
まず、病院へ行って相談されてはどうかしら?
と、言うことしか出来ませんでした。
長町さんに相談しましたら、
激昂
「何を優しい事言っているのですかっ!Nさんっ!」
即効
「すぐに病院へ連れて行ってやって下さいっ!」
と、先方さんに電話して下さいました。
先方のお二人は、経済的なことばかりを気にしており、
またまた、長町さん激昂っ!
しかし、
その後、
「猫を病院へ連れて行きました。
両前足とも骨折しており、古いので偽関節ができている。
骨折した時の傷から菌が入りおそらく菌は骨まで達している。
薬や洗浄で治るレベルではなく、大手術で足の長さも変わるし、費用もすごいことになる。
本当の飼い主が本気で治したいと思ってくれないと無理なレベルで、
今回はかわいそうだけど費用はいらないのでこのままお帰り下さい。
虐待ではなく、おそらく高いところから落ちてなったもの。
でも、男の子で去勢はしてくれています。
猫さんは、アパートの裏で面倒を見ております。」
とのメール
一応病院に連れて行って下さった事に感謝し、
虐待でないこと、去勢していることにホッとしました。
しかし、
病院へ行って、
何にもしてくれないって事があるのでしょうか?
せめて、塗り薬、抗生剤ぐらいは出してくれるよね?
やはり、長町さんも同じ意見でした。
どうしたものか。。。
と、気になり、
猫さんの様子を見に行くことにしました。
一回目は見つけることが出来ませんでしたが、
もう一度行ってみようと思った日曜日の朝
家を出ようと思っていたところに、
におったのか?
長町さんから電話あり、
ちょっと急いでた私は、早口に
「今から猫さんを探して病院へ連れて行こうと思う」と言うと、
初めて、長町さんに誉められました。
「そうしてあげてっ!私も付いて行ってあげたいけど、今日は2件譲渡猫さんのお届けと、
ワンちゃんの相談が一件入っているので、どうにもならない。
でも連絡は受けられるようにしておくから、電話頂戴ね。」
ちょっと心強くなり、
出発!
・・・・・・・・・・
猫さんはいました。毛が抜けボサボサでとっても痩せた、
しかし、とっても人馴れした猫さんです。
ネットにすんなり入ってくれ、そのまま抱っこすることも出来ました。
キャリーに入れて、日曜診療して下さる病院へ。
しかし、なんと間の悪い事でしょうかっ!
病院は、研修とかで臨時休業
長町さんに即電話
「困ったなぁ~○○○○病院なら日曜日も見てくれるけど。。。」
と、長町さんから遠慮気味の返事
「行くわっ!午前診療時間ギリギリになるから、電話入れておいてっ!」
「OKっ!」
20キロの道のり、走りました、スピード違反にならない程度に走りました。
時間ギリギリです。
診療台に乗っても、ゴロゴロ機嫌がいい猫さんです。
でも、キャリーには失禁、やはりストレスだったのでしょうね。
猫さんの足はやはり、骨折しておりましたが、歩くのには支障ないようです。
ケガは、化膿止めの抗生物質の投与で治るレベルだという事でホッとしました。
でも、残念なことに、エイズに感染しておりました。
ケガもそのために治りが悪いのかもしれません。
痩せているのも、毛が抜けてボサボサなのも、エイズの症状でしょうか。
急に不憫に思え、ちょっと胸が痛くなりました。
診療を終え、キャリーに戻す時も、ゴロゴロ喉を鳴らしておりました。
とっても痩せていて、背中を撫でると、ゴツゴツと骨が手に当たります。
受付で診療費を払おうとしますと、
「長町さんから頂くようになっております。」と、、、
「私が払いますっ!」と、頑張ったのですが。。。
午前の診療時間が過ぎようとしており、
カーテンを引く音で、バタバタと病院を後に。
オシッコの臭いのするキャリーと、猫さんと、私。
しばらく駐車場から動けませんでした。
「あなた何処へ行く?」と、猫さんに声を掛けている自分の声にハッしました。
病院のブラインドを引く音、消灯していく建物、
早く駐車場を出なくては。
頭の中で色々な可能性と、一時の感情に流されまいとする自分との葛藤
連絡を待っている長町さんに電話
電話の向こうから返ってきた声には、
悩んでいる私の気持ちを察してか、
毅然とした優しい響きがありました。
「元の場所に戻しておこうね」
いやに速く着いたように感じた元の場所、几帳面に置かれていたダンボールの小屋は、
少し位置がズレ、なんだか寒々しく見えました。
猫さんをキャリーに入れたまま、AD缶を開け薬を用意していると、
プッシュと開けた瞬間、「ニャーニャー」と猫さん鳴きます。
初めて聞いた、初めて感情を表した声でした。
「美味しいニオイがするの?」
「ニャーニャー」
混ぜた錠剤もなんなく飲み込み、催促されるまま、ほとんど一缶ぺろり
この缶詰結構大きいんですけど。。。
その姿に、心が痛みます。
「美味しいんやな、いっぱい食べてやぁ~」
どうしたらいいのかしら。。。
猫さんが答える筈もないのですが、
「あなたどうする?」と猫さんに相談するように声をかける私。
しかし、答えはありました!
猫さんは、自分のダンボールのお部屋にスーーと入って行ったのです。
私にお礼を言うでもなく、「連れて行って」と頼むでもなく
本当に潔い、自分の家はここだと、自らの選択であるような態度
しばらく、ダンボールの中の毛布の上で毛繕いする姿を眺め、
「それじゃ、頑張って生きるんよ」
そんな言葉もいらないよ、とでも言うような、静かな姿
私の悩み揺れる気持ち
肩透かし?的な決然とした態度
悩み、揺れ動く気持ち、
これは、私の気持ちであって、猫さんの気持ちはどうなんだろうか。。。
いつか、猫さんの気持ちが分かるようになるのだろうか?
たぶん、それを理解する人間の気持ちを鍛えないといけないのだろうな
長くなりましたが、
私の「初めてのお使い」は終わりました。
少しの時間とエネルギーと、
何かを辛抱すれば、捻出できるぐらいのお金がかかる「お使い」
私も医療費を負担したいと思いますので、
少し、振込みさせて頂きました。
メールを送って来た人に連絡入れました。
お礼のメールは頂戴致しましたが、
医療費を気遣う言葉はありませんでした。。。
とても残念な気持ちと、
あぁ~あぁ~そうなんやぁ~
ボランティアってなんだろう?
ボランティアってどんな存在?
小奇麗な単身用のアパートの、駐車場と隣接した小さなスペースです。
駐車場からも、通りからも見通しのいい場所です。
管理人さんに見つからないように、洗車道具入れにカモフラージュされておりました。
しかし、なんの目隠しもない目立つ場所です。
本当にこんなところに居るのだろうか。。。
そっと、防寒用の布から中を覗いたら、いました。
えっ、驚いたのは、私
猫さん、初めての見ず知らずの私に、なんの警戒心もなく、
ゴロゴロと喉を鳴らし、出て来ました。
怪我をしているはずです。
保護し、病院へ行くのです。
持参した
洗濯ネットを用意し、オヤツと、美味しい餌を手に、
ただただ、「いい子ね、いい子ね」と、声を掛けネットの中へと。。。
外猫さんの保護
少々のケガは覚悟です。
暴れたらどうしたらいいのでしょうか?
幸い、猫さんは餌につられ、なんの抵抗もしません。
すんなりと入ってくれました。
なんと人馴れした外猫さんでしょうか。
・・・・・・・・・・
「気になる猫がいましてメールさせていただきました」と、
メールが届いたのが事の始めです。
よく慣れた猫さんがアパート付近にいる。
首輪をしているので、飼い猫かもしれない。
その猫が、最近、激やせし、ケガをしている。
骨折しているように見える。
こちら方面に飼い主に指導や保護をしてくださるボランティアの方はいらっしゃいませんか?
このような内容のメールでした。
これって、なんの依頼?
どうしろと?
確かに私は、ボランティアのお手伝いをしております。
さてどうしたものか。。。
残念ながら、場所も離れているのもあり、
すぐにお手伝いは出来ない事をあやまり
先ず、虐待の疑いがあるなら、保健所警察に通報するようにと、アドバイスをしました。
それから、2,3ヶ月後に、
怪我が酷いことになっている。
毛もボサボサで、激やせで元気もない。
と、ケガの画像が添付されてメールが届きました。
アパートの住人である友人が、すごく心配をしている。
でも、病院へ連れていく勇気と、経済的な負担を考えると、
このまま見守るしかないように思うが。。。
どうにかならないでしょうか?
どうにか?って?
怪我の画像を見せられ、どうにかならないでしょうか?
ボランティア新米の私には手に負えないことになってきました。
本気でどうにかしたいお気持ちなら、
出来るだけの事を頑張って下さい。
まず、病院へ行って相談されてはどうかしら?
と、言うことしか出来ませんでした。
長町さんに相談しましたら、
激昂
「何を優しい事言っているのですかっ!Nさんっ!」
即効
「すぐに病院へ連れて行ってやって下さいっ!」
と、先方さんに電話して下さいました。
先方のお二人は、経済的なことばかりを気にしており、
またまた、長町さん激昂っ!
しかし、
その後、
「猫を病院へ連れて行きました。
両前足とも骨折しており、古いので偽関節ができている。
骨折した時の傷から菌が入りおそらく菌は骨まで達している。
薬や洗浄で治るレベルではなく、大手術で足の長さも変わるし、費用もすごいことになる。
本当の飼い主が本気で治したいと思ってくれないと無理なレベルで、
今回はかわいそうだけど費用はいらないのでこのままお帰り下さい。
虐待ではなく、おそらく高いところから落ちてなったもの。
でも、男の子で去勢はしてくれています。
猫さんは、アパートの裏で面倒を見ております。」
とのメール
一応病院に連れて行って下さった事に感謝し、
虐待でないこと、去勢していることにホッとしました。
しかし、
病院へ行って、
何にもしてくれないって事があるのでしょうか?
せめて、塗り薬、抗生剤ぐらいは出してくれるよね?
やはり、長町さんも同じ意見でした。
どうしたものか。。。
と、気になり、
猫さんの様子を見に行くことにしました。
一回目は見つけることが出来ませんでしたが、
もう一度行ってみようと思った日曜日の朝
家を出ようと思っていたところに、
におったのか?
長町さんから電話あり、
ちょっと急いでた私は、早口に
「今から猫さんを探して病院へ連れて行こうと思う」と言うと、
初めて、長町さんに誉められました。
「そうしてあげてっ!私も付いて行ってあげたいけど、今日は2件譲渡猫さんのお届けと、
ワンちゃんの相談が一件入っているので、どうにもならない。
でも連絡は受けられるようにしておくから、電話頂戴ね。」
ちょっと心強くなり、
出発!
・・・・・・・・・・
猫さんはいました。毛が抜けボサボサでとっても痩せた、
しかし、とっても人馴れした猫さんです。
ネットにすんなり入ってくれ、そのまま抱っこすることも出来ました。
キャリーに入れて、日曜診療して下さる病院へ。
しかし、なんと間の悪い事でしょうかっ!
病院は、研修とかで臨時休業
長町さんに即電話
「困ったなぁ~○○○○病院なら日曜日も見てくれるけど。。。」
と、長町さんから遠慮気味の返事
「行くわっ!午前診療時間ギリギリになるから、電話入れておいてっ!」
「OKっ!」
20キロの道のり、走りました、スピード違反にならない程度に走りました。
時間ギリギリです。
診療台に乗っても、ゴロゴロ機嫌がいい猫さんです。
でも、キャリーには失禁、やはりストレスだったのでしょうね。
猫さんの足はやはり、骨折しておりましたが、歩くのには支障ないようです。
ケガは、化膿止めの抗生物質の投与で治るレベルだという事でホッとしました。
でも、残念なことに、エイズに感染しておりました。
ケガもそのために治りが悪いのかもしれません。
痩せているのも、毛が抜けてボサボサなのも、エイズの症状でしょうか。
急に不憫に思え、ちょっと胸が痛くなりました。
診療を終え、キャリーに戻す時も、ゴロゴロ喉を鳴らしておりました。
とっても痩せていて、背中を撫でると、ゴツゴツと骨が手に当たります。
受付で診療費を払おうとしますと、
「長町さんから頂くようになっております。」と、、、
「私が払いますっ!」と、頑張ったのですが。。。
午前の診療時間が過ぎようとしており、
カーテンを引く音で、バタバタと病院を後に。
オシッコの臭いのするキャリーと、猫さんと、私。
しばらく駐車場から動けませんでした。
「あなた何処へ行く?」と、猫さんに声を掛けている自分の声にハッしました。
病院のブラインドを引く音、消灯していく建物、
早く駐車場を出なくては。
頭の中で色々な可能性と、一時の感情に流されまいとする自分との葛藤
連絡を待っている長町さんに電話
電話の向こうから返ってきた声には、
悩んでいる私の気持ちを察してか、
毅然とした優しい響きがありました。
「元の場所に戻しておこうね」
いやに速く着いたように感じた元の場所、几帳面に置かれていたダンボールの小屋は、
少し位置がズレ、なんだか寒々しく見えました。
猫さんをキャリーに入れたまま、AD缶を開け薬を用意していると、
プッシュと開けた瞬間、「ニャーニャー」と猫さん鳴きます。
初めて聞いた、初めて感情を表した声でした。
「美味しいニオイがするの?」
「ニャーニャー」
混ぜた錠剤もなんなく飲み込み、催促されるまま、ほとんど一缶ぺろり
この缶詰結構大きいんですけど。。。
その姿に、心が痛みます。
「美味しいんやな、いっぱい食べてやぁ~」
どうしたらいいのかしら。。。
猫さんが答える筈もないのですが、
「あなたどうする?」と猫さんに相談するように声をかける私。
しかし、答えはありました!
猫さんは、自分のダンボールのお部屋にスーーと入って行ったのです。
私にお礼を言うでもなく、「連れて行って」と頼むでもなく
本当に潔い、自分の家はここだと、自らの選択であるような態度
しばらく、ダンボールの中の毛布の上で毛繕いする姿を眺め、
「それじゃ、頑張って生きるんよ」
そんな言葉もいらないよ、とでも言うような、静かな姿
私の悩み揺れる気持ち
肩透かし?的な決然とした態度
悩み、揺れ動く気持ち、
これは、私の気持ちであって、猫さんの気持ちはどうなんだろうか。。。
いつか、猫さんの気持ちが分かるようになるのだろうか?
たぶん、それを理解する人間の気持ちを鍛えないといけないのだろうな
長くなりましたが、
私の「初めてのお使い」は終わりました。
少しの時間とエネルギーと、
何かを辛抱すれば、捻出できるぐらいのお金がかかる「お使い」
私も医療費を負担したいと思いますので、
少し、振込みさせて頂きました。
メールを送って来た人に連絡入れました。
お礼のメールは頂戴致しましたが、
医療費を気遣う言葉はありませんでした。。。
とても残念な気持ちと、
あぁ~あぁ~そうなんやぁ~
ボランティアってなんだろう?
ボランティアってどんな存在?
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