始まりは譲渡会開催中に、掛かってきた一本の電話。
「あのう、猫を引き取ってもらえるんでしょうか?」
消え入りそうな、オドオドした感じで聞いてきた。
引き取りはしていない事。
県外の大きなNPOなら、毎月の経費を1ヶ月に15000円くらい払えば、場合によっては、預かってくれるのでは?と言いましたら、「それ、どこですか?」とパッと明るい声。
一匹につきですよと言うと、また暗い声で「すみません。今の維持費より沢山かかるから、払えません。申し訳ありませんでした。何も知らないで電話してすみません。」というやり取りをしました。
譲渡会が終わって、すみません。すみません。と謝りながらの会話が気になって仕方ない。
夜になって連絡し、行ってしまいました。
「初めは二匹のメスネコが、外に出て子猫を産んだんです。それから避妊した猫もいるのですが、私が病気になって、働けなくなり、主人にも離婚されてしまいました。今はお金もありません。」
彼女には、2人の子供と、24匹の猫がいた。
「私にとっては、子供も、ニャンも、仕事も大事なんです。でも病気が再発したら、また何も出来なくなる。」
多頭飼いの割にはキレイな猫たちでしたが、フードが足りないのか、スリム。
持参したフードを開けると、群がってアッという間に食べてしまった。
彼女のいうお金が無いのは、全くの無一文なのか?
一時間くらい話した所で、分かるはずもない。
受けていたらキリが無い。
ただこのままでは、明日にでも妊娠して、どんどん増えて、借家を出されるのは明らか。
もうヤケクソです。
メスネコの半年以上は私が避妊した。
次は、子猫から、出来れば大人猫も譲渡し、一匹でも減らす事にしました。
彼女は心の病気ですから、薬を飲みながら、無理をしないで仕事をして行く事に。
病院で高額の手術代を払いながら、こんな事してたら、私がそのうち破産すると、不安がよぎり、自分が坑鬱剤をかじる。
精神を病んでいるのは私なのかも分からない。
新聞に譲渡会の告知を出すというのは、啓蒙活動を広めるためですが、このような相談も、毎日のようにあるというリスクを、背負うのです。
台風で雨に濡れて、ボンにゃんハウスに行くと、残留組の猫たちが、撫でてー
と寄ってきた。 あぁ お前たちの為に、倒れる訳にはいかないな
避妊した猫たち